VVtuber活動記

日々のバーチャルバーチャル活動を記録します

浮いてるやつ

「いい加減にしてください」
 
体重計の1キログラムに満たない数値を見て、看護師は苛立たしげに言った。
その声はリノリウムと消毒液の香りに覆われた部屋に響き、対角でサックスブルーのガウンを着た男が左腕を血圧計に突っ込んだまま、こちらを振り返ったのが見えた。比較的和やかな健康診断の空気は一瞬間張り詰め、儀礼的無関心の下に再び弛緩した。
足元のディスプレイに表示された7セグメントは静止から緩やかな減少に転じ、間もなく0.0を示した。
 
「すみません、ふざけてるわけではないんです……」
 
僕は意味もなく謝罪した。
 
「いいからもう一度乗ってください」
 
彼女は、先程よりも幾許かは落ち着いた、けれども腹立たしさを隠さない声で、僕に指示した。
僕はわずかに逡巡し、言われたとおりに一度体重計を降り、再度乗った。もはや足裏に測定台の冷たさを感じることはなかった。
秤はゼロを示したまま動くことはない。
 
「どうなっているんですか」
 
今度は動揺を孕んだ、つぶやきにも似た言葉が彼女の口から零れた。彼女は体重計を前にしゃがみ込み、手で押して正しく計測ができることを確かめている。こわれてない、という音を含んだ吐息が漏れた。
 
「僕、浮いちゃうんです。周りから浮くと……昔からそういう体質で……」
 
僕がそう言うと、彼女は睨むとも懇願するともつかない目で僕を見上げた。沈黙が僕と彼女の間に落ちる。
 
僕は近頃、自分が参加しているインターネット上のコミュニティから浮き始めたことを自覚していた。
可処分時間が減ったことや、もとよりズレた言動が多かったこともあるだろう。要因はいくらでも考えられる。とにかく僕はコミュニティから孤立し始めていて、結果として僕の体重は数百グラムとなってしまった。
 
僕は沈黙を取り繕うために言葉を探した。口をついたのは卑屈な弁解だった。
 
「でも僕が悪いんです。最近ちょっと馴染めてないから……すみません」
 
情けないなと僕は思った。望んだわけでもない体質に、なぜ僕が何度も謝らなければならないのか。
しかし、と僕は脳裡でその憤りを即座に拒絶した。確かに体質は望んだわけではないが、コミュニティに打ち解けるか、さもなくば一切のコミュニティから距離を置けばこの事態にはならなかったはずだ。そのどちらも選択できない僕の貧弱なコミュニケーション能力と帰属願望のアンビバレンスが、目の前の他者を不愉快にさせているのだ。
そしてまた、僕はその自罰的な心性と媚を含んだ自らの言葉に嫌悪感を覚えた。
 
「……とにかく、体重が測れないのでは困ります。体重をもとに診断結果を判断するものも多いですから」
 
彼女は立ち上がって膝の汚れを払った。
 
「体重が測れるようになったら、またいらしてください。これ以上は無意味です」
 
彼女は嘆息するように言った。
僕は、そうですかすみません、お手数をおかけしました、などと会社員生活のうちで培った謝罪のフレーズを唱えて、すごすごと引き下がった。
 
 
クリニックを出ると、街は人で溢れていた。耳元で往来する人々の多種多様な会話が流れていく。断片的な言葉の数々は、僕の脳内で意味を形作ることなく、泡沫のように霧散する。僕は人混みに紛れるように歩き出した。
完全に浮いてしまった僕は、通行人の肩が触れるだけでも吹き飛ばされかねない。細心の注意を払って一歩ずつ雑踏を踏みしめる。厳密には、中空を踏みしめた。
先程のやり取りもあって気疲れしたため、一息付きたい心地だった。僕は数十メートル先にスターバックスコーヒーのロゴを見つけ、目標に定めた。
 
大通りに面した店舗ということもあってか、店内も比較的に混雑していた。僕は油断することなく、数人が列をなすレジカウンターへ向かう。
無事に最後尾についた僕は周囲の注意を集めない程度の溜息を吐いた。列に並ぶという行為は、集団の目的と自身とを合一することだ。緩やかな流れに揺蕩う安らぎがそこにはあった。
しかし、いつまでもその安寧に浸ることはできない。列とはいわばモラトリアムなのであって、必ずその終わりが訪れる。僕はこの猶予期間のうちに、来たるべき終焉に備えなければならない。
スターバックスラテ、トールサイズ、ホット。僕は記憶と、カウンターの上部に取り付けられたメニュー表を見比べ、商品の呼称や注文手順に変化がないか繰り返し確かめた。
 
僕はスターバックススターバックスラテのホット、トールサイズ以外を頼んだことがない。当然、カスタマイズなどは考えたこともない。
他のビバレッジに興味はないのかと問われれば、飲みたくないわけではないと答えるだろう。しかしながら、殊にスターバックスのような独自の注文体系を持ち、かつ市民権を得た店においては、レジでの些細な淀みは店員と後続の客の注意を集める結果となり、僕の浮遊に直結する。自身の欲求を満たすことよりも、ただ衆目を集めずすべてを無難に熟すことこそが、唯一の行動規範なのだ。
スターバックスラテ、トールサイズ、ホット。これが僕自身が開拓して、幾度となく踏み固めた唯一の安全な道なのであった。
 
「お待たせいたしました、ご注文をどうぞ」
 
緑色のエプロンを下げた店員が、バリスタとしての誇りを湛えた笑顔で僕に言った。
僕は、ここで焦ってはいけない、と自分に言い聞かせた。僕が成すべきなのは自然な注文なのであって、注文RTAではない。
僕はカウンターに置かれたメニューを目で上からなぞり、自分の気分に合致するドリンクを探すように装いながら、接頭辞のようにフィラーワードを使ってスターバックスラテを頼んだ。
 
「あー、スターバックスラテ、ホットで」
 
このとき全ての注文を言い切らないほうがよい。捲し立てるように告げられる言葉は如何にも慣れていないように聞こえるうえに、聞き返される可能性も高くなる。そのため初手はドリンク名とホットかアイスか、もしくはドリンク名とサイズに留めるべきだ。そうしておけば、自然と次の質問が発生し、会話のリズムが生まれる。
 
「サイズはいかがなさいますか」
「じゃあトールで」
「トールで、かしこまりました。以上でよろしいでしょうか」
「あ、はい」
スターバックスラテのトールがお1つで、お会計が418円頂戴いたします」
 
僕は財布から小銭を取り出す。
完璧と言って良い出来栄えだった。ほとんど予期した通りのやり取りを行い、滞りなく注文を済ませることができた。幾度となく繰り返したやり取りであっても、その回数が僕の緊張を和らげることはない。当たり前の結末を得るために、僕は最善を尽くし続けている。
僕は会計を済ませ、受け取りカウンターでスターバックスラテを待った。しばらくするとスターバックスラテのホット、トールサイズが運ばれてきて、僕は恙無く受け取った。
壁に面したカウンター席に空きを見つけ、身体を人や物にぶつけることに気をつけながら移動して、席についた。ここまで来てしまえば、よほどのことがない限り注目されることはない。僕はカメレオンのように店の背景として溶け込んだ。
 
僕は熱すぎるラテに口をつけながら、僕は自身の体質を呪った。
差し当たり、業務命令だった検診ができなかったことについてどう会社に説明するか、僕は考え始めた。
 
 
気づくとラテは最後の一口程度にしか残っていなかった。
ぬるくなったそれを呷り、僕は帰宅を決心した。
空になった紙製のカップを片手に、コンディメントバーに併設されたゴミ箱へと向かう。
 
コンディメントバーでは客がゴミを片付けていた。僕はその作業が終わるのを待った。
その時、突如僕は背中に強かな衝撃を感じた。「あっ」という声が背後から聞こえるとともに、僕は文字通りに吹っ飛び、激しく身体を打ち付けた。金属製のゴミ箱が甲高い音を立て、店内に響き渡った。僕は痛みと驚きに蹲った。
ぶつかってきたらしい男はぶつかったままの姿勢で唖然として僕を見ている。ゴミを片付けていた客も、氷を捨てるためにカップを傾けたまま、静止して僕を凝視していた。
店内は静まり返った。皆、僕を見ている。
僕がゆっくりと身体を起こそうとすると、我に返ったように店員が駆け寄ってきた。
 
「大丈夫ですか!」
 
僕は自らが徐々に浮き上がるのを感じた。
 
「大丈夫です、大丈夫です」
 
慌てる店員を僕は宥めるように言った。店内は騒然とし始めた。その中心にいるのは僕だった。また、浮遊感が僕を襲う。不安と焦りが心の内を占める。
駆けつけた二人目の店員が、お怪我は、などと尋ねる。僕は大丈夫ですから、と言って立ち上がり、逃げるように店を出た。
 
高ぶった心拍は治まらないまま、僕は通りを歩き出した。ここを離れなければという焦燥が僕の足を早める。
しかしあまりに急ぎすぎては不審がられる。冷静にならなければならない。
 
「あの、すみません!」
 
足早に歩く僕の背後から女性が声をかけた。少し息が上がっている。
年は僕と同じくらいで、肩上で切りそろえたボブがよく似合う、整った顔立ちだった。
手にはスターバックスの例の奇妙なロゴが描かれたカップが握られている。店内から、僕を追いかけたようだ。
 
「違ったら申し訳ないんですが、」
 
彼女は少し間を置いて続けた。
 
「……あなた、浮いてませんか」
 
彼女の言葉に僕は狼狽した。誤魔化そうかとも思ったが、観察してわかることを誤魔化しても仕方がない。
しかしここを上手く切り抜けなければ、僕は再び浮いていくだろう。今はまだ、遠目に見て気づかれない程度で住んでいるが、これが10センチ、20センチとなったらどうか。人々は僕が浮いていることに気づき、驚くことだろう。そして僕はそれを受けてさらに浮く。僕の上昇に歯止めがきかなくなる。止まる頃には僕は人々の視界に入らないほどの高さにいるに違いない。
僕が次の一手を探していると、出し抜けに彼女は言った。
 
「私もなんです」
 
 
僕たちは人の密度が低い公園に向かって歩いた。
お互いに、自分以外の浮遊体質に合うのは初めてだった。道中ではお互いの体質についての経験について話をした。
今日の健康診断を断られた話。学生時代に困ったこと。以外に便利な側面。
同じ境遇を過ごした僕たちは、瞬く間に意気投合した。
僕の話に彼女が共感し、彼女の話に僕が共感する。僕と彼女はそのたびに、体重を少しずつ取り戻すのを感じた。
僕は初めて誰かと分かり合うという経験をしたようにも思った。
僕と彼女の異なる歩幅が、徐々に歩調を合わせていく。幸福が、僕の身体を貫いた。
 
僕たちは公園に着くとベンチに腰掛けた。
 
「今日はありがとうございます、声を掛けてくれて」
 
僕は言った。
 
「いえ、こちらこそ、私も仲間ができたようでとても心強いです」
 
仲間。
仲間。
仲間……。
僕はその甘美な言葉の響きを何度も反芻した。この体質が表れて以来、僕はどこにも上手く馴染むことができなかった。
しばらくは誤魔化しが効いても、いつかはそれが破綻して、僕は徐々に孤立する。それが常だった。
僕はそういう星の下に生まれた人間なのだと思った。確かに体質が人を遠ざけた面もある。しかしながら、僕は本性として、溶け込むことが苦手なのだ。根本原因はそこだった。
しかし、今、僕は同じ苦しみを分かち合う仲間を見つけた。持たざる者として生きてきた僕の二十数年間が報われたように感じた。
 
彼女と、人よりも少ない僕たちの体重を支えながら生きる。出会って数時間も経っていない相手に対して、そんな妄想をするのは、軽薄なのだろうか。
 
「もう優勝~~~~~って感じですね」
 
彼女は言った。
 
「え?」
「あっ、すみっ、すみません私!私油断しちゃうとオタクみたいな喋り方になっちゃうんですフヘヘいやなんかシチュエーションがそれなんてエロゲ?みたいな感じでちょっとこうこっ興奮しちゃってッヒヒあれですね私にもとうとうみっ岬たんがやってきた気分で!作りますか一緒にエロゲ?あ待ってこれなんかこれプロポーズみたいじゃないですかヌッフ君と僕とで二人のエロゲを紡ごうみたいなあっあっ気持ち悪いですよねフフ止まらなくなっちゃうんですよこれちょっと待ってくださいあのちょっと落ち着くのでアッやばいちょっと」
 
彼女はそのまま浮かび上がった。止まることなく上昇し続ける彼女は、間もなくして僕の視界から消えた。

孤独を託つ(フーミン(松任谷不実)谷の冬)

時計が部屋に時を刻んでいる。
 
昼間は傍らの線路をけたたましく往来する電車もいつしかその姿を消し、窓の外は生命の気配を絶った都会の冷たい宵闇が深閑としている。
七畳一間は秒針のステップのあわいにますます杳さを増していくようだった。私が寝返りを打つと安物のパイプベッドは苦しげに軋み、その音は悄然と霧散した。
どれほどの間、私はこうして身体を丸めているのだろうか。眠ろうという焦燥にも似た欲求が、逆説的に精神を現(うつつ)へと繋縛している。
時計は絶え間なく時を打つ一方で、私の時間への感覚は茫漠とした暗がりに溶け出してしまっていた。
ただ、現在が過去へと溶接されたこの幽遠な空間で一人、際限なく自らの意識に沈潜することを、私は強いられていた。
 
東京で働き初めて3年の月日が経った。
 
空なのかアスファルトなのかわからない鈍色の街並みを過ぎ、直立もままならない満員電車に揺られ、Visual Studioの黒い背景へとコードを並べる作業。コーディングとGitへのpushのリズムが1日を形作る日々。
休日はインターネットと書籍で無聊を慰め、アルコールがもたらす甘い痺れに耽りながらただ翌日を待っている。
 
私は何かを期待して東京へ来たわけではなかった。むしろ、私はこの緩慢に死へと向かうイテレーションを望んで受け入れてきた。
 
就職面接のため訪れた東京は、歯車が互いに噛み合うように、人々が街を行き来していた。
隣で上司らしい相手に電話で謝罪するサラリーマンの会話は意識しなくても聞こえるし、地雷メイクの女はSNSにポストするセルフィーの編集工程を後ろから観察されることを意に介さない様子だった。
皆、肉体の生々しい熱気を感ぜられるほどに近接しながら、それでいてその相手のことはまるで生命として見なしていない。街には他者の肉感が存在する間隙はまるでなかった。
私はその寒々しい無機質な生命に魅了されたのだ。雑踏の中で街というシステムに自らが組み込まれることに、私は揺籃のような安心を覚えた。
 
私は、自らの生活の中から個としてのテクスチュアを意図的に排してきた。
通勤と労働、退勤の単調な日々も、何事も起こらない休日も、私が望んで手に入れたものだ。
人々を抽象化し、個別的なものを捨象したときに残る一般的な要素だけで構築された生活。私は自身が70億分の1であるという、統計的な事実をドグマとしてきた。
どこかの誰かが私と突如入れ替わったとして、何ら不自然なところはない、外れ値のない日常。
 
元来、人は孤独だ。
精神と精神は際限なく隔たっており、交わることはない。ただ、身体や言語といった極めて不完全で頼りない媒体だけが私達には与えられている。私達はそれらを繰ることで、満たされることを知らない他者への飢えを凌いでいる。それはあたかも血肉を求め彷徨うリビングデットのようだ。
 
私は弱い人間だった。
この幽闇な孤独にも、他者を求める自らの腐臭にも、耐えることができなかった。
だから私は社会や世間といった第三者の審級に縋った。
第三者の審級の下で本質的には無限遠としか表しようのない他者との距離を、プロクルステスが寝台に人を押し込めるように、計測可能なものとして措定してきた。こうして私は真綿で首を絞めるような緩やかに死へと向かう毎日と安寧を得たはずだった。
 
四半世紀にわたって積み上げた色彩に欠ける人生。それによって私は自らの存在について、それが自らであるという特殊性を希薄化させた。何者も私のこの薄さを脅かすことはないようにも思えた。
しかし、この存在というもの。絶望的なまでに深く、巨大で、果てのないもの。
もがけばもがくほどに足を取られる流砂のように、そこから逃れ出るための行動はむしろ、その桎梏を重くした。
私自身が、その存在の支配者として、全き統治を行っているようでいて、しかしながら主従は逆だった。
私の存在はこの不眠の夜暗のように私を覆い、孤独が私を圧倒している。どれほど偏執的に身体を洗い流そうとも拭えない臭い、それが私の存在なのであった。
私は今、私であることを強いられている。
 
閉ざしていた瞼を薄く開けると、ローテーブルの上でロックグラスとウイスキーの飲みさしが息を潜めているのが見えた。溢れんばかりのクラックドアイスは見る影もなく、滴った水滴がグラスの足元に小さな水たまりを作っていた。
決して広くはない部屋に整然と、あるいは無造作に配置された家具はそれぞれ深い影を落としている。影は静寂を湛えて、ただぼんやりと蠢いていた。
私は再び寝返りを打って深く目を瞑った。
 
私は今日も一人、安価なベッドの上、時計の針が一秒ごとに立てる音に慄きながら、ただ耳をそばだてている。

TokyoWanderer編集部

全国1億1000万人のお芋さんと、1500万人のシティピープルの皆さんこんにちは!シティボーイぬるぽです。
みなさん、シティしてますか?僕はしてます。
生まれたときの第一声が「危ないですから黄色い線までお下がりください」だった生粋のシティボーイな僕が今回はTOKYOのおすすめスポットを紹介したいと思います。
今回は三大副都心に着目して、それぞれのおすすめを紹介していくぞ!
すでにシティなボーイもガールも、まだ芋芋なボーイもガールも是非チェックしてくれよな!
 
まずは渋谷から!
シティ素人は犬っころ像に群がりがちな渋谷ですが、そんなのもう田舎者丸出しです。だいたいなんで人間が犬の銅像ありがたがってるんだよ。犬畜生以下どもがよ。
真のシティパーソンにはこれ!
駅前という好立地にあるにも関わらず落書きとステッカーで用を成さない地図!!!!!!

f:id:LifeIsVirtual:20210118151801j:plain

f:id:LifeIsVirtual:20210118151910j:plain

近くにある地図も同様

だいたいこのへん。
こういう大きな駅って大抵線路が交差しているので方角が分かりづらいよね。
ちなみに名古屋駅の桜通口前(たぶん)にある地図は現在地の部分だけ削り取られていました。渋谷はロココ的で絢爛荘重な地図スタイルですが、名駅の場合はバウハウス系譜を継ぐ合理的で機能的なモダニズムの思想を感じられるスタイルでした。いずれの地図も甲乙つけがたい。
 
お次は池袋。
実は池袋をこのエントリで紹介するかはかなり迷いました。池袋は我々シティパーソンの間では人々の方向感覚を狂わせる街として有名です。
熟練シティボーイでも、「西に進んでいたら東に着いた」などとにわかには信じがたい状況に陥ることがあるのです。なおそのシティボーイは死にました。
登山家ジョージ・マロリーも生前「池袋駅は富士の青木ヶ原樹海と同じくらい危険だ」と言ったとされています。
しかしながらシティなパーソンを目指す皆さんにとって、池袋もいつかは攻略しなければならない街。
僕は皆さんを応援する意味も込めて、こちらの場所を紹介します!

f:id:LifeIsVirtual:20210118152133j:plain

このメトロポリタン口は、霊気に満ち満ちた池袋駅でも比較的に影響を受けにくい特別な場所なのです。
池袋初心者はメトロポリタン口で身体を池袋に慣らしていくとよいと思います。だいたい10時間くらいすると池袋にある程度は順応するので、他の場所はそれからにしましょう。
次におすすめなのはジュンク堂書店池袋本店です。僕はシティボーイなので月イチくらいで通っています。
 
最後に紹介するのは新宿のおすすめスポット。
新宿は豪雨と言われていますが、新宿が豪雨のとき大抵渋谷も池袋も豪雨です。そんな新宿はこちらがおすすめ!
Suicaのペンギン広場!!!!!!!!!!!!!!!!!

f:id:LifeIsVirtual:20210118152309j:plain

いかにもアーバンな、それでいて荘厳な雰囲気を醸し出すSuicaのペンギン像がランドマーク。ドコモタワーよりデカい存在感を放っています!
歌舞伎町の女王も生まれるのが20年後であれば、抜けるのはJR新宿駅の東口ではなく新南口だったというのが専門家たちの共通認識です。
みんなもSuicaのペンギン広場の女王を目指そう!
ところで新宿の紀伊國屋書店がどうしてもどこにあるのか覚えられないのですが、いつも適当に歩き回っていると着くのはなんででしょうかね。あと紀伊国屋のビルの一階にあるよくわからない鉱石とか売ってる店の化石ガチャがいい感じです。それから新宿伊勢丹メンズ館には近寄るな。店員がいっぱいいて洒落オーラに圧殺されるぞ。気をつけろ。
 
いかがでしたか?
大都会TOKYOの息吹を感じることはできたでしょうか?
まだまだ芋だよ~~~~~って人も、スイートポテトくらいにはなれたのではないでしょうか。
ところで芋っていう漢字から連想する芋ってジャガイモじゃなくてサツマイモだと思いませんか?ジャガイモのほうが食べる機会多いのに不思議ですよね。
次回もまた見てくれよな!!!

大きい方って?身長は?年収はいくら?小さい方はあるの?調べてみました!

「お先に大きい方から」
そう言ってゴリラの店員は糞便をこちらに投げつけ、不機嫌そうにバックヤードへ戻っていった。隣のレジカウンターには「アメリカンショートヘア」と書かれた名札を下げたキジトラ猫が寝そべっており、首をもたげて胡散臭そうにこちらを眺めていた。その視線は排泄物に塗れた僕の上半身に集中しているように感じた。
「……お釣りは?」
僕は動揺を抑えながらキジトラに聞いた。キジトラはただ目を細めて睨めつけるだけで何も言わなかった。猫なのだから当然だ。猫が喋るのは魔術的な職業に従事する少女の傍にいる場合か、何らかの妖術もしくは特殊能力の影響下にある場合、卓抜した技術力によって開発された翻訳機を得た場合等、限られた状況下に限られる。
レジスターの客面液晶に表示された金額を前にして僕は途方に暮れた。ゴリラに詰め寄ったところで腕力で勝てるはずもなく、猫に金銭による補償を迫ったところでそもそも貨幣の概念を理解しているかも定かでない。手詰まりを悟らざるを得なかった。
僕は再び陳列棚に戻り、ボディシートを取ってキジトラ店員に持っていった。こちらには見向きもせず、腕枕に顎を乗せている。
「すみません」
猫は尻尾だけを左右に揺らした。
僕は財布から百円玉を4枚取り出して猫の前に置いた。猫は少しだけ目を開けると、カウンターの小銭の臭いを確かめていたが、まもなくして興味なさげに再びまぶたを閉じた。いらないから二度と来ないでくれ、とでも言いたげである。アメリカンショートヘアを自称するあたり、己に宿した高潔な魂が穢れと交わることを良しとしないのだろう。とはいえ一消費者として対価なしに商品を持ち帰るのは憚られる。
結局、僕は9502円と70円の損害とともにコンビニエンスストアを後にした。
 
店の軒下で腕に付着した汚物を拭っていると、行き交う人々は横目で怪訝そうに僕を見た。たまたま入ったコンビニの店員がゴリラで、そのゴリラがたまたま糞を投げるタイプだったのだから仕方ないだろ、と僕は心の内で弁明した。
当初の目的であった昼食のおろし竜田弁当(すだちぽん酢)はレジ袋の中で所在なさげに鎮座している。おろし竜田弁当(すだちぽん酢)には申し訳なく思うが僕の食欲は気がつけば消え去ってしまっていた。
 
一通り身体の汚れは拭き取っても、衣服についたそれは依然としてその臭気を遺憾なく発している。繊維と繊維の間隙を埋めるように深く入り込んだ汚物は容易には拭い去ることなどできないだろう。行き先としては洗濯機よりもゴミ箱のほうが適切かもな、と僕は嘆息してゆらゆらと帰路についた。

いつかのゲーミングヒューマン

いつからか私の身体は七色に光ることはなくなった。満員電車に乗り、鈍色の街を歩く毎に私の身体は徐々に色あせた。孤独相から群生相に相変異した私は今やアスファルトとタイルカーペットによく馴染む色合いを呈している。それはあたかもCHERRY MX青軸からメンブレンスイッチに変わったかのように、私という存在からタクタイルを奪っていった。
 
通勤電車には金策のため低難度クエストをマラソンするMMORPGプレイヤーのように虚ろな目をした人々が詰め込まれている。マウスのサムボタンに組み込まれたハードウェアマクロのような日々に倦んでいるのか、状態異常のスリップダメージのようにすり減り弾力を失っていく毎日を偲んでいるのか。いずれにせよ私はいつからかその三人称のうちに含まれていた。
車内では誰もがニュートラルなワンオブゼムとしてただ目的の駅に到着するまでの時間を過ごしている。物語の主人公などどこにもいない。私も例に漏れず、パーソナルスペースの欠片もない空間で2.0chイヤホンで平坦な音を聴き、わずか6インチのタッチスクリーンに目を落としていた。ニュースサイトにはどこかの誰かの出来事が全体に誤爆したチャットのように羅列されている。
 
駅への到着がアナウンスされ、電車は緩やかに減速した。隣に立っているサラリーマンの肩が触れ、革靴のつま先が誰かに踏まれるのを感じる。私は最早台パンも舌打ちもすることはない。人の群生相はストレスのエアロダイナミクス上最も効率的な形態に他ならない。
何人かが降車する。間もなくそれと同じかそれ以上の人々が乗車する。もともとの乗客はそのタイミングでより良いポジションを取ろうと素早く移動する。私はそのルーチンを乗降口とは反対側のドアからぼんやりと眺めた。
その時私は乗車待ちの列の最後尾に、刻々とグラデーションするあの輝きを持つ男の姿を捉えた。彼は周囲を照らし、光の尾を引きながら悠然と歩き出した。こちらに向かって来る。
私は自分がひどく動揺するのを感じた。あの光は現在の私、私達にとって毒物でしかない。しかし光など見なければよい。満員電車のストレスを最低限にするように同じく耐えれば良いだけのはずだ。私の身体は毒物である以上の何かを感じているようだった。それが何なのか私にはわからず、彼が一歩一歩と近づいてくる毎に心臓は強く早く脈動を繰り返した。
彼が電車に足を踏み入れると、その光が私達を突き刺した。人々は目を瞑り、顔を背ける。私は一人腕で光線を遮りながら、薄目で彼を見た。七色に光り輝くその男性はそのまま無彩色の人々の海を割り、座席に着いた。それはあたかもバケット型のゲーミングチェアに座っているようだった。
彼はRazerのロゴが入ったデイパックに腕を突っ込み、ゲーミングマウスを取り出した。そして彼はそれを右手に収め、中空に視線を漂わせながらそれをしきりに左右に素早く動かし始めた。左手は指でタップダンスを踊っているかのように見えないキーを押下している。彼の脳裏には明らかにリアルタイムレイトレーシングによって光の映り込みをリアルにシミュレートした圧倒的に美麗なグラフィックの戦場が240Hzのリフレッシュレートで遅延なく滑らかに映し出されていた。そこで彼は並み居る兵どもを快刀乱麻を断つかの如くキルしているのだ。私はFPSプロゲーマーの配信を見つめる非FPSプレイヤーのように、その七色の輝きに酔い、些かの吐き気を催しながら、その輝きを見つめていた。最早ゲーミングヒューマンでなくなってしまった私にとって、それは毒物の脈動に他ならなかったが、しかし私の視界は彼とのシェアプレイを始めるのを感じた。
 
電車の乗客はいつしか七色の彼から距離を取り、円形のスペースができていた。ただでさえ乗車率が150%を超える超満員の車両で、彼らは一層密着して群生相の配色が強くなった。彼らは誰もが俯いている。あの光を目に入れまいとただ自らの時間に没入することだけに集中していた。彼らは各々孤独だった。
群れとは空間や時間を共有することではなく、俯瞰する視点個々の物理的な距離の問題なのだろうか。ではその俯瞰する視点は誰のものなのか。
 
自然と私の身体は動き出した。私は人混みをかき分け、もがきながら前に進んだ。
私は悟った。私が、私達が群れとして食い荒らしていたのは外部のリソースなどではなかった。それはカニバリズムですらなかったのだ。私達が群れを成して食い荒らしていたのは、自分自身に他ならなかった。
 
私はやっとの思いで人混みから抜け出した。彼は依然としてパントマイムに没頭している。私はゆっくりと彼に近づいていく。一歩踏み出すごとに表皮から無彩色と暗褐色の鱗が剥がれ落ちていく。気づけば吐き気は消え失せ、私の手から虹色の光が漏れ出していた。
「すみません」私は彼に言った。「フレンド申請出したので、よかったら」
彼は何も言わずただ虚空を瞬きもせず見つめている。ただ、絶え間なく動いていた彼の両手の動きが止まり、幾許かゆっくりと動き出した。
「ありがとうございます」
私は彼の隣に座った。座席は包み込まれるような安定感があり、首筋に確かに柔らかなヘッドレストの感触があった。虹色に光を発する両手で私はアプリケーションを操作し、彼のセッションに参加した。
 
ブランクは全く感じなかった。私は全盛期の軽快さを瞬く間に取り戻していた。巧みなキャラコンで有利なポジションを取り、癖のあるリコイルを確実に押さえてキルを重ねる。
「厨武器死ね」
彼は吐き捨てるように呟いた。

マシュマロ食べ放題記念会館

こんぬる~!
VVtuberのぬるぽぬるおです!

前回は初めての投稿でしたが、Twitterでたくさんのコメントを頂けてとても嬉しかったです!
生配信全盛のこの時代に、2週遅れのブログなんて読んでくれる人いるのかな?と心配していましたが、全くの杞憂でしたね!
僕は日頃文章を書く機会はあまりないので、こうしてまとまった文を書くということはなかなかに骨が折れるのですが(ゲームでもよく落下して骨を折っていますね)、皆さんのコメントのおかげでこれからも続けていけそうです!今後とも何卒よろしくおねがいします!

 

さて、それではここ数日の活動を振り返っていきましょう!
……と、言ってもこの数日間は雑談配信ばかりでしたね。あまり配信に時間が割けなくてスミマセン……。
ということで、今回は配信中に拾いきれなかったマシュマロの食べ残しを食べてHPをちょっとずつ回復していこうと思います!

 

まず1つめ!

f:id:LifeIsVirtual:20191003200054p:plain

って違うから~!これV2つだから~!wじゃないから~wwwwwwwwww
それと「死ね」とか命令形の文がことごとく撥ねられるなかでひたすら婉曲してまで僕にこのメッセージを伝えようとするその熱意に敬意を表します。焼きマシュマロおいしいです。

 

2つめ!

f:id:LifeIsVirtual:20191003200609p:plain

って違うから~!2015年12月にTwitterで大きな話題となったランサムウェア「vvvウィルス」じゃないから~!v一個多いから~!感染した端末のファイルすべての拡張子を.vvvにしたりしないから~!ウェブ広告を閲覧しただけで感染するという対処不可能な手法で感染を広げているとか騒がれてないから~!結局そこまでの感染力はなくて経路は一般のランサムウェアと同じだったりしないから~!
あと、ランサムウェアに感染しても要求されたお金は払わないでください。

 

3つめ!

f:id:LifeIsVirtual:20191003202221p:plain

いやリアルイベントとかやってないから……。怖……。

 

4つめ!

f:id:LifeIsVirtual:20191003202526p:plain

それは人それぞれだと思います。僕はマシュマロのほうが好きかなあ。とはいえ正直どちらもそれほど好きではないんですよね。綿菓子で思い出しましたが、前にアライグマが綿菓子を水洗いしようとして消えるっていう動画がありましたね。

 

 

さて、食べ残しはこれくらいですかね!僕のHPも十分に回復したようです!
マシュマロを送ってくれた皆さん、どうもありがとうございました!


ちょっと雑談配信が続いてしまいましたけど、これからコラボも企画していたりしますので楽しみにしてくださいね!
それでは、みなさんご機嫌ぬるぬる~!

ブログ開設しました!

こんぬる~!
VVtuberのぬるぽぬるおです!

 

ご覧の通りこの度ブログを開設することにしました!
今後、活動の記録をこちらのブログに書いていきますので、「配信のアーカイブを見る時間も取れない」という多忙系リスナー諸兄姉におかれましてはこのブログで活動を補完していただければと思います!
もちろん、配信の切り抜き動画もこれまで通り自由にアップしていただいて構いません!動画サイトで「ぬるぽぬるお」と検索していただくと有志リスナーによる配信ハイライト動画がたくさん見つかると思います!「時間はないけど、配信の雰囲気を楽しみたい!」という皆さんはぜひそちらをご覧ください。

 

ご挨拶だけでは全盛期の底辺ニコ生主のように味気なく物悲しい雰囲気となってしまいますね。本日の配信も簡単にご報告させていただこうと思います。よければ184を外してお読みください!

本日の配信のタイトルは『お米を炊く』でした。
ヘヴィリスナーの皆さんにはお馴染みかもしれませんが(そして自分自身がそうであるという方もいらっしゃるかと思いますが)、僕の配信にはしばしばお米の炊き方に一家言持っている方々がコメントしてくれます(「米コメCLUB」と呼ばれています)。
米コメCLUBの皆さんはそのこだわり故に、コメント上での会員同士の論争もしばしば起こしていました。僕の活動方針として、リスナーの皆さんには自由な観点から僕の配信を楽しんでほしいと常々思っているのですが、流石に3時間のFF8リマスター版の配信でコメントの8割がお米にお酢を入れて炊くことの是非についてだと、僕自身が壁にでも話しているような気分になってしまいます。配信終了後、Twitterのほうでリスナーさんからもその件に関してお叱りのDMを頂いて、「……指導力不足……配信者失格。なるほど、納得かな」と反省いたしました。

そのような事件があり、配信を面白くする神の見えざる手にも限度があると悟った僕は僕のチャンネルにおける正しいご飯の炊き方を定義すべくご飯を炊いたのでした。

僕の炊飯スタイルは無洗米にその2割大麦を加え、30分常温の水につけるという攻守ともにバランスのとれたオーソドックスな麦ごはんスタイルでした。もちろん、白米原理主義、洗米保守派などのクラブ会員からは強い反発を受けました。しかし、これもぬるぽちゃんねるをより良くするためだと心を鬼にしてお米を炊きはじめました。およそ1時間の待ち時間中、コメント欄はかつてないほどの流速を見せ、阿鼻叫喚の様相を呈しましたがこれを耐え、遂に正しいご飯を炊ききりました。

 

今回の配信では失うものも多かったと思います。チャンネルの方向転換に戸惑った方も多々いらっしゃったかと思います。これからも僕のチャンネルはいろんな変化をしていくと思います。僕はそんな変化を楽しんでいこうと、今回改めて決意しました。そしてそんな移り気な僕についてきてくれる皆さんのことをもっと大事にしていこうと思います。

 

せっかくのブログ初投稿なのになんだか辛気臭い内容ですみません!とにかく、これからも僕のちゃんねるをよろしくお願いします!

 

それでは、みなさんご機嫌ぬるぬる~!